「窓用エアコンの取り付けってどうやるの?」

「窓用エアコンって普通のエアコンとどう違うの?」

これらの疑問は窓用エアコンの購入を検討されている方に多いものです。

窓があれば簡単に取り付けられる窓用エアコンですが、快適に使用するには用途や環境に見合うタイプのものを選ばねばなりません。

そこで今回は窓用エアコンの取り付け方法、長所・短所や選ぶときのポイントなどを具体的に解説します。

今後窓用エアコンを取り付ける予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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窓用エアコンとは?壁掛けエアコンとの違いは何?

エアコンには窓枠に取り付けるタイプの窓用エアコンと壁に設置するタイプの壁掛けエアコンの2種類があります。

窓用エアコンと壁掛けエアコンの大きな違いは室外機の有無です。

一般的な家庭用の壁掛けエアコンは室内機と室外機が分離しており、壁に配管を通し屋外に室外機を設置します。

一方窓用エアコンは本体が室外機の役割も担うため、コンパクトな形状です。

窓用エアコンでは開けた状態の窓に設置し、背面から出る熱風を窓の外に逃がす構造をとります。

その他窓用エアコンでは縦型、壁掛けエアコンでは横型の形状である点も両者の違いです。

窓用エアコンは窓に取り付けることが前提のため、一般的な横型のエアコンと違い縦向きの使用が基本となります。

窓用エアコンの取り付け方

ここで窓用エアコンの取り付けに必要な道具や手順を具体的に解説しましょう。

窓用エアコンをご自身で取り付ける予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

必要な道具

窓用エアコンの取り付けに必要な道具は下記です。

  • 作業用の養生マット(厚手の毛布でも可)
  • ドライバー
  • 軍手もしくは作業用のグローブ
  • ハサミもしくはカッター

窓用エアコンはコンパクトとはいえ、総重量が20kgを超える場合が一般的です。

運搬中の思わぬ事故を想定すると、養生マットや厚手の毛布があれば安心でしょう。

また気密性を高めるためのパッキンをサッシの形に合わせてカットするハサミやカッターも必要です。

取り付け手順

窓用エアコンの取り付け手順は下記のとおりです。

  • 窓枠にエアコン取り付け用の枠を設置する
  • エアコン枠を上に引き上げて固定する
  • 本体をエアコン枠にはめ込む
  • パッキンを隙間に取り付ける
  • 簡易錠を取り付ける

これらの手順を具体的に確認していきましょう。

1.窓枠にエアコン取り付け用の枠を設置する

引用元:ウインドエアコンの取り付け方|ウインドエアコン|株式会社コロナ

まず下側の窓枠サッシにある立ち上がりに窓用エアコン枠を差し込みます

立ち上がりがない窓には付属の補助金具を設置し、立ち上がりを作りましょう。

サッシに差し込んだ窓用エアコン枠を左側に寄せ、枠の下部にある締め付けネジを締めます。

2.エアコン枠を上に引き上げて固定する

引用元:ウインドエアコンの取り付け方|ウインドエアコン|株式会社コロナ

下側の固定が終われば、上側サッシまでエアコン枠を引き上げ、上部の立ち上がりに差し込みます。

下側と同様、立ち上がりが窓用エアコン枠に合わない場合は補助金具を使いましょう。

窓用エアコン枠がきちんと立ち上がりに差し込めたら締め付けネジで固定します。

3.本体をエアコン枠にはめ込む

引用元:ウインドエアコンの取り付け方|ウインドエアコン|株式会社コロナ

まず窓用エアコン枠の下側から本体をはめ込みます。

本体の底部が窓用エアコン枠の凹凸に差し込まれたら、本体の上側をカチッと音がするまで枠に押し込みましょう。
本体全体がエアコン枠にはまったら、専用のネジで本体をしっかり固定します。

4.パッキンを隙間に取り付ける

引用元:ウインドエアコンの取り付け方|ウインドエアコン|株式会社コロナ

外気や雨、虫の侵入を防ぐために、エアコン側の窓の外側にパッキンを取り付けます。

パッキンを窓の高さと同じ長さにカットし、サッシ上下の凹凸部分にピッタリ合うようにハサミで端を切り取りましょう。

カットが終わればパッキンを窓に貼り付けます。

5.簡易錠を取り付ける

引用元:ウインドエアコンの取り付け方|ウインドエアコン|株式会社コロナ

最後に簡易錠を窓枠のサッシに取り付けます。

サッシに穴を開けることになるので、賃貸物件の場合は管理会社や管理人への確認が必要です。

窓用エアコンの長所と短所

窓用エアコンには下記に挙げる長所と短所があります。

長所
  • 工事が不要
  • コンパクトで持ち運びしやすい
  • 初期費用が安い
短所
  • パワーが弱い
  • 音が大きい
  • 防犯に不安が残る
  • 電気代が高くなる
  • 冷房のみタイプが主流

以下ではそれぞれの長所と短所を具体的に確認していきましょう。

窓用エアコンの3つの長所

まず下記に挙げる3点が窓用エアコンの長所です。

  • 工事が不要
  • コンパクトで持ち運びやすい
  • 初期費用が安い

以下では窓用エアコンの長所を具体的に見ていきましょう。

工事が不要

賃貸など穴をあけられない物件でも利用できる、自分で設置することができます。

室外機と室内機が一体化している窓用エアコンでは、配管工事が必要ありません。

室外機の設置スペースが取りづらかったり賃貸で壁に穴をあけられなかったりする場合でも、窓用エアコンなら自分で手軽に取り付けられます。

また窓用エアコンは専門業者に工事を依頼する手間がかからないので、早く使いたい方にとっても便利です。

コンパクトで持ち運びやすい

窓用エアコンはコンパクトなので持ち運びがしやすく、別の部屋に移動したり不用時には外して収納しておいたりできます。

引っ越しや来客に応じて窓用エアコンを移動したい場合にも、自分のタイミングで取り外しができ便利です。

ただし窓用エアコンは横向きにすると故障の原因になるため、運搬や収納は慎重におこなわねばなりません。

窓用エアコンは縦型に設計されており、横に倒すと内部のコンプレッサーにある潤滑油が流れ出てしまう恐れがあります。

床に置いたり持ち運んだりする際は、必ず縦向きを維持しましょう。

初期費用が安い

窓用エアコンは一般的なエアコンと比べると、比較的リーズナブルな価格で入手できます。

なぜなら窓用エアコンの価格相場は数万円程度かつ工事費用が不要となるからです。

一般的なエアコンでも安価の商品はありますが、専門業者の介入が必要となるため取付工賃が上乗せされます。

窓用エアコンではシンプルな購入価格だけで取り付けまでできるので、10万円未満で導入できるケースがほとんどです

窓用エアコンの短所5点

低コストで手軽に取り付けられる窓用エアコンですが、下記に挙げるデメリットもあります。

  • パワーが弱い
  • 音が大きい
  • 防犯に不安が残る
  • 電気代が高くなる
  • 冷房のみのタイプが主流

デメリットも理解しておきましょう。

パワーが弱い

窓用エアコンはコンパクトな分、壁掛けエアコンに比べパワーは弱めです。

「広いリビングを冷やしたい」という場合、壁掛けエアコンのほうが適しています。

一人暮らしの部屋やこども部屋などの狭い空間で使うなら、窓用エアコンは十分な効果を発揮できるでしょう。

なお窓用エアコンは直射日光が当たる窓に設置すると、パワーがさらに弱まり消費電力が増大しかねません。

窓用エアコンの冷却効率を少しでも上げたいなら、日の当たらない場所や日除けのある場所に設置しましょう。

音が大きい

窓用エアコンは室内機が室外機と一体である構造上、排気音や振動が室内に伝わりやすい傾向にあります。

例えば窓用エアコンの内部では空気を冷却するためのモーターやファンが起動し、振動が生じがちです。

また窓用エアコンにはインバーターという内部で微細な出力調整をおこなう装置がないため、出力の自動切り替え時にも音があります。

窓用エアコンの音を気にせず過ごすには、防音ゴムやクッションテープなどの緩衝材で振動を和らげるのがおすすめです。

また寝室で使用するのなら、寝る位置を窓から離すなどの工夫をするとよいでしょう。

防犯に不安が残る

窓用エアコンは窓をエアコンの幅分開けた状態で設置するため、窓に元々ある施錠が使えません。

人目につきやすい一階の部屋で使うには防犯面に不安が残るでしょう。

窓用エアコンの防犯対策には、簡易鍵の使用がおすすめです。

簡易鍵は窓用エアコンに付属している場合がありますが、状況によってはサッシに穴を開ける必要があります。

賃貸物件などで穴を開けたくない場合、ネット通販やホームセンターなどでサッシ用のロックを購入するとよいでしょう。

電気代が高くなる

基本的に窓用エアコンは壁掛けエアコンよりも電気代が高くなります。

なぜなら窓用エアコンには温度によって出力調整をおこなうインバーターがなく、室温が十分に下がっても起動時と同じ出力が続くからです。

窓用エアコンでは部屋が冷えすぎると手動で温度を上げるか電源を切らねばならないので、こまかな省エネ運転ができません。

窓用エアコンの電気代を抑えたいのであれば、つけっぱなしの状態は避けたほうが無難です。

冷房のみのタイプが主流

窓用エアコンは冷房のみのタイプが主流なので、冬場にも暖房として使いたい方には不便かもしれません。

暖房は冷房よりもパワーを要するため、コンパクトな窓用エアコンでは十分な効果が得づらくなります。

また窓用エアコンは窓を少し開けた状態で使用するので、外気が室内に入り込みやすく室内が温まりにくくなりがちです。

窓用エアコンの中には暖房機能がついているモデルもありますが、パワーは冷房時に比べると劣ります。

窓用エアコンの暖房効率を上げるには、サーキュレーターや他の暖房器具、窓用の隙間テープなどとの併用がおすすめです。

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窓用エアコンがおすすめな人

今後窓用エアコンの購入を検討されている方へ、窓用エアコンがおすすめな人の条件を下記にまとめてみました。

  • 住まいが賃貸物件のため、壁に穴を開けられない
  • 室外機を置けるスペースがない
  • 8畳以下の部屋で使用する
  • 引っ越しの頻度が高いため、持ち運びやすさを重視している

窓用エアコンは取り付け工事が不要なので、「今すぐ暑さをしのぎたい!」という方に重宝するアイテムです。

上記の条件に該当すれば、窓用エアコンを買うメリットがあるといえます。

窓用エアコンの選び方

窓用エアコンにはさまざまなタイプのものがあり、どう選べばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。

快適に窓用エアコンを使うには、下記に挙げる観点から機能や注意点などを知っておく必要があります。

  • 適用畳数
  • 設置場所
  • 静音性
  • 排水
  • 消費電力
  • 内部乾燥機能

下記ではそれぞれの観点を具体的に解説しましょう。

適用畳数

適用畳数(対応可能な広さ)の観点から商品を選ぶ姿勢は、窓用エアコンを快適に使用するうえで大切です。

なぜなら適用畳数を意識するかしないかで、空調の効率が大きく変わってくるからです。

例えば窓用エアコンはパワーが弱いため、適用畳数を超えると効果が得られなくなってしまう恐れがあります。

また窓用エアコンの適用畳数の幅は、設置する環境が鉄筋鉄骨造か木造かによって持たされているものです。

例えば適用畳数が「4〜7畳」の場合、冷えた空気が漏れやすい木造では4畳、気密性の高い鉄筋鉄骨造では7畳が目安の畳数となります。

適用畳数と幅に見合わない環境での窓用エアコンの使用は、非効率な空調と電気代の浪費につながりがちです。

窓用エアコンを選ぶ際は、しっかりと適用畳数を意識したうえで購入を検討しましょう。

設置場所

窓用エアコンを設置するのであれば、対象の窓が取り付けに適しているかどうかの確認が必要になります。

そもそも窓用エアコンが取り付けられるのは引き違いの窓です。

前後に開閉するスイング窓やブラインド形式のオーニング窓には窓用エアコンが設置できません。

また商品に定められた取り付け可能な窓枠のサイズにも注意が必要です。

指定サイズを超えた窓には別売りの延長枠を使うことで設置できる可能性がありますが、小さすぎる窓には取り付けられません。

その他設置する窓を家具が塞いでしまっていないかの確認も必要です。

窓用エアコンの設置にはサッシ用パッキンのカットや貼付なども要するので、窓周辺の家具は事前に片付けておくことをおすすめします。

また一般的な窓用エアコンが左側設置であることを踏まえ、空調効率を意識した家具の配置換えなども意識しておきましょう。

静音性

寝室や書斎など静かさに配慮したい部屋への設置であれば、窓用エアコンは静音性を重視して選ぶべきです。

静音性の目安として、窓用エアコンの商品説明にある「db(デシベル)」という音圧単位に目を向けてみることをおすすめします。

聞こえの目安はトイレの洗浄音や掃除機の動作音で60dB程度、換気扇や壁掛けエアコンの室外機で50dB程度です。

静かさを求めるのであれば、少なくとも50db以下のものを選ぶのが無難でしょう。

最近の窓用エアコンには音圧レベルを40DB程度に抑えたタイプもあるので、静音性にこだわって選べば快適に使用できます。

排水

窓用エアコンの排水方式には「ドレンタイプ」と「ノンドレンタイプ」の2種類があります。

ドレンとは窓用エアコンの内部で温かい空気を冷却する際に熱交換器で生じる結露水のことです。

ドレンをホースで排水する方式をドレンタイプ、エアコン内部でドレンを熱し気化させる方式をノンドレンタイプといいます。

2階以上の部屋で使う窓用エアコンに適しているのは、ノンドレンタイプです。

ノンドレンタイプではホースでの排水が不要なので、階下への漏水の心配がありません。

ただし気温や湿度によってはエアコン内部でドレンを処理しきれず、背面から水が出ることもあります。

ノンドレンタイプを使用するなら、万が一の漏水に備えドレン対策の準備が必要です。

消費電力

窓用エアコンは壁掛けエアコンよりも消費電力が多く、電気代も高くなりがち。

極力電気代を節約したいのであれば、窓用エアコンの「消費電力」に目を向けてみるのがおすすめです。

消費電力が小さい窓用エアコンを選べば、電気代も抑えられます。

また商品によっては年間電気代の目安が明記されている場合もあるので、窓用エアコン選びの参考にするとよいでしょう。

その他、省エネ運転ができる窓用エアコンの選択も消費電力を抑える方法です。

 

最近の窓用エアコンには温度の変化に応じて出力調整ができたり人感センサーで人がいるときだけ運転できたりする機種もあります。

電気代を抑えたい場合、新しいモデルの窓用エアコンを選ぶとよいでしょう。

 

内部乾燥機能

エアコンの嫌な臭いを防ぎたい場合、「内部乾燥機能」のあるモデルを選ぶのがおすすめです。

窓用エアコンの熱交換器では冷房や除湿の運転中に結露が生じやすく、放置しておくとカビや雑菌の原因になります。

熱交換器のカビが吸水フィルターにまで繁殖すると、更なる臭いにつながりかねません。

内部乾燥機能では送風運転により本体の内部を乾燥させられるため、カビや雑菌を未然に防げます。

ただし内部乾燥機能はすでに繁殖したカビや雑菌を取り除くことはできないことを考慮しておきましょう。

まとめ

最後に改めて本記事のポイントを下記にまとめます。

  • 窓用エアコンは一般的な壁掛けエアコンと違い、室内機と室外機が一体化している
  • 窓用エアコンには下記のメリットがある。
    • コンパクトである
    • 取り付け工事が不要
    • 導入コストが不要
  • 窓用エアコンには下記のデメリットがある。
    • 起動音が大きい
    • 元々の窓の施錠が使えない
    • 冷房効率が悪く消費電力が大きい
  • 窓用エアコンの中には省エネ運転や静音運転ができるモデルもある
  • 窓用エアコンにはさまざまなタイプがあり、静音性や消費電力などを事前に調べておくとよい

窓用エアコンの買い替えや処分をお考えであれば、下記の記事を参考にされてみてください。

記事ではエアコンのお得な処分方法や料金相場を具体的に解説しています。

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