ブラウン管テレビは、法令により適切な処分が義務付けられており、然るべき場所に依頼する必要があります。
ただ、依頼する場所によって、処分にかかる手間や料金は大きく異なります。
そこで、本記事ではブラウン管テレビの5つの処分方法を比較し、よりお手軽でお得な方法を探っていきましょう。
ブラウン管テレビは家電リサイクル法の対象
ブラウン管テレビは「家電リサイクル法」の対象製品となります。
家電リサイクル法の対象の場合は、通常とは異なる特定の方法で処分しなければなりません。
以下では、この法令の具体的な目的と、それに伴うブラウン管テレビの処分についてご紹介します。
廃棄物を減らし資源の有効活用を目的とした家電リサイクル法
家電リサイクル法は、廃棄物の削減と資源の有効活用を促進するために設けられた制度です。
経済産業省では、具体的に下記のように説明しています。
「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの特定家庭用機器廃棄物から、有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。」
経済産業省 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)
上記のとおり、大まかにはエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4つの家電が家電リサイクル法の対象であり、 テレビの対象にはブラウン管テレビが含まれます。
リサイクルが義務付けられているため、自治体で粗大ごみとして回収してもらい、一般のごみ処理場で処分するということはできません。
また、 ブラウン管テレビが対象となる理由は、製品に有害物質が含まれ環境保全の観点から適切な廃棄処理が必要になるためです。
なお、例えば、ブラウン管テレビ背面のファンネルガラスには鉛が含まれ、一部の製品の電気回路部品にはPCB(ポリ塩化ビフェニール)が含まれています。
この点に留意して、適切な処分方法を心がけることが大切です。
家電の処分時に必要となる家電リサイクル券
家電リサイクル法の対象の処分にあたって、もう一つ押さえておきたいのが「家電リサイクル券」です。
対象の家電を処分する際にはリサイクル料金が発生し、それを支払った証明として用いられるものが家電リサイクル券になります。
なお、処分の依頼方法には販売店や不用品回収業者の利用、指定引取場所への持ち込みが挙げられ、それぞれの方法に応じた家電リサイクル券が必要です
具体的には、家電リサイクル券には2つの種類が存在し、販売店や不用品回収業者の利用では「料金販売店回収方式」、指定引取場所への持ち込みでは「料金郵便振込方式」のものを使用します。
前者では依頼者がリサイクル料金を支払うことで、販売店などから家電リサイクル券を受け取る形になりますが、後者では依頼者が予め郵便局にて購入しておく必要があるため注意が必要です。
ブラウン管テレビのリサイクル料金
リサイクル料金は一律に定められているわけではなく、メーカーや製品の大きさによって変動します。
例えば、代表的なメーカーを基準にした場合、ブラウン管テレビのリサイクル料金は下記のように設定されています。
代表的なメーカー | ブラウン管テレビ(小) | ブラウン管テレビ(大) |
---|---|---|
パナソニック | 1,320円 | 2,420円 |
東芝 | 1,320円 | 2,420円 |
ソニー | 1,870円 | 2,970円 |
シャープ | 1,870円 | 2,970円 |
富士通 | 1,870円 | 2,970円 |
三菱電機 | 1,870円 | 2,970円 |
日立 | 1,870円 | 2,970円 |
※2023年3月現在のもので、全て税込価格となっています。
また、販売店や不用品回収業者に処分を依頼する場合には、リサイクル料金のほかにもブラウン管テレビの搬送費が必要です。
搬送費の具体的な料金は業者ごとに異なりますが、概ね1,500〜3,000円が設定されます。
ブラウン管テレビを処分する5つの方法
ブラウン管テレビの処分方法には主に5つの方法が挙げられ、それぞれの大まかな違いは下記のとおりです。
処分方法 | 手間 | かかる料金 | 要する期間 |
---|---|---|---|
リサイクルショップに買取してもらう | ◯ | △ | ◯ |
不用品回収業者を利用する | ◯ | × | △ |
指定引取場所に持ち込んで処分する | × | ◯ | ◯ |
家電量販店で回収してもらう | △ | △ | ◯ |
フリマで欲しい人を探して販売する | × | ◯ | × |
各処分方法の主な特徴や、具体的なメリット・デメリットについて見ていきましょう。
リサイクルショップに買取してもらう
リサイクルショップは中古品などを買取・販売する店舗になります。
そのため、リサイクルショップにブラウン管テレビの処分を依頼する場合は、回収だけでなく買取をしてもらうことも可能です。
ただし、状態が良く希少性があるなど、特定の条件を満たすものでなければ買取ってもらえないことが多くなります。
この処分方法におけるメリット・デメリットは次のとおりです。
- メリット
-
- 買取ってもらえる可能性がある
- 訪問回収・買取に対応している場合が多く手間が少ない
- 店舗に持ち込むことで、すぐに処分・販売できる
- ブラウン管テレビ以外の不用品もまとめて処分・販売できる
- デメリット
-
- 買取の条件が厳しく、買取不可になることがある
- 買取できない場合には料金がかかる
手間がかからない方法やすぐに処分する方法があり、販売してお金に換えられる場合がある点が特に大きな利点と言えます。
ただ、売るつもりだったのに買取金額が付かず、かえって料金がかかってしまう場合がある点には注意が必要です。
不用品回収業者を利用する
不用品回収業者でも、リサイクルショップ同様にブラウン管テレビなどの回収・買取をまとめておこなってくれます。
ただ、対応しているのは訪問での回収・買取で、人件費や出張費が加わることから料金が高くなる傾向があります。
また、不用品回収業者における買取でも一定の条件があり、必ず買取ってもらえるわけではありません。
この処分方法のメリット・デメリットは下記のとおりです。
- メリット
-
- 買取ってもらえる可能性がある
- 訪問で対応してくれるため手間が少ない
- ブラウン管テレビ以外の不用品もまとめて処分・販売できる
- デメリット
-
- 買取不可の場合がある
- 買取できない場合には高い料金がかかることがある
- 申込みから回収・買取まで数日の期間がかかる場合がある
料金が高くなるケースがあるものの、それらの基本料金にはリサイクル料金や搬送費も含まれる形になります。
また、業者によっては最短で即日対応してくれるところもあります。
一方で、中には適切な処分をしない悪徳業者も存在するため、事前に公式サイトや口コミをよく確認しておくことが大切です。
出張買取と不用品回収を同時に行ってくれる業者をお探しの場合は、下記の記事もご参考になれば幸いです。
出張買取でトラブルに合わないために注意すること
指定引取場所に持ち込んで処分する
指定引取場所は家電リサイクル法の対象の引取を担い、家電リサイクルプラントへの出荷をおこなう場所です。
直接ブラウン管テレビを持ち込めば、販売店などでの依頼で必要な搬送費や人件費を削減することができます。
ただし、持ち込み時の搬送のほか、事前のリサイクル券の購入も必要となるため手間がかかるのが特徴です。
この処分方法におけるメリット・デメリットには以下の点が挙げられます。
- メリット
-
- リサイクル料金のみとなるため料金が安く済む
- デメリット
-
- 具体的な処分方法が分かりづらく、不安を抱えてしまう
- ブラウン管テレビの搬送やリサイクル券の購入など、多くの手間がかかる
料金を抑えられる一方で、多くの手間がかかる一長一短の処分方法になります。
なお、持ち込みは任意のタイミングでおこなえますが、施設ごとに営業日・受付時間は異なるため予め確認が必要です。
家電量販店で回収してもらう
家電量販店でブラウン管テレビを回収してもらう方法もあります。
ただ、回収のみを受け付けているケースは稀で、ほとんどの場合は新品の購入が前提条件となります。
なお、買取金額が付けられるものであれば、買い替えの際に下取りしてもらうことも可能です。
この処分方法におけるメリット・デメリットには以下の点が挙げられます。
- メリット
-
- 持ち込むことですぐに回収・下取りしてもらえる場合がある
- 下取りしてもらえる場合は、料金を安くできる可能性がある
- デメリット
-
- ほとんどの場合で買い替えの上での回収になる
- 回収・搬送費が多くかかる
下取りで料金を安くできる場合がある一方で、基本的に買い替えが前提となるほか、店舗ごとに回収・搬送費が異なる点に注意が必要です。
また、店頭回収をおこなっていない店舗もあるため、持ち込む前にスタッフに回収方法を確認しましょう。
フリマで欲しい人を探して販売する
フリマサイト・アプリに出品して、ブラウン管テレビを処分するのも一つの方法です。
欲しい人に買取ってもらうことで、リサイクル料金や搬送費を支払って処分する必要がなくなります。
ただし、欲しい人がすぐに見つかるとは限らない点に注意が必要です。
この処分方法のメリット・デメリットは下記のとおりです。
- メリット
-
- 欲しい人が見つかれば、お金を得られる場合がある
- デメリット
-
- 欲しい人を見つけるのが難しい
- 手順が多く販売に手間がかかる
欲しい人がなかなか見つからず、いつまでも処分できない場合がある点が大きなデメリットと言えます。
また、出品までには商品の登録をはじめとする多くの手順があり、買い手が見つかったあとにも商品の発送をしなければいけないなどの手間があります。
ブラウン管テレビを最もお得かつお手軽に処分するためには?
本記事では、ブラウン管テレビの5つの処分方法を挙げるとともに、お得な方法やお手軽な方法についてご紹介しました。
- ブラウン管テレビは、廃棄物の削減と資源の有効活用を目的とした家電リサイクル法の対象であり、処分時にはリサイクル券を利用してリサイクル料を支払う必要がある
- ブラウン管テレビの処分には5つの方法が挙げられ、中でもリサイクルショップに買取してもらう方法がお得で手間がない
手間がかかりながらも、確実に処分ができて少しでも料金を抑えたい方は指定引取場所への持ち込み、多少の料金が発生しながらも手間なく処分したい方はリサイクルショップで買取してもらうのがおすすめです。
出張買取アシストでは、ブラウン管テレビの買取もおこなっています。
店頭のみならず出張・宅配買取にも対応しており、不用品をまとめて買取らせていただくことも可能です。
不用品をお手軽でお得に処分したい方は、ぜひ出張買取アシストをご利用ください。