エアコンから出る風が臭ったり効き目が悪かったりする場合は、内部にカビやホコリがたまっている可能性があります。

そのままの状態では健康被害などの懸念があり、早急な掃除が必要です。

エアコン掃除は専門業者に依頼するほうが安全で確実ですが、本記事では自分でやりたい方向けに自分でできるエアコンの掃除手順をご紹介します。

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エアコンを掃除しないとどうなる?

エアコンの掃除は定期的におこなうことが重要です。

掃除を怠ると様々な弊害が生じ、場合によっては健康面にも悪影響を及ぼします。

例えば、掃除をしないままでは、次のような弊害が起こる懸念があります。

カビが生える

エアコンは特に冷房運転時に内部が高湿度になり、カビが繁殖しやすくなります。

その際に、内部にホコリがたまった状態であれば、よりカビが発生しやすい状態になってしまうのです。

カビの胞子はアレルゲンとして人体に影響を与え、喘息・アトピー性皮膚炎・鼻炎などの健康被害を及ぼすこともあります。

カビの生えたエアコンを運転させれば、胞子を部屋中に拡散させることになるため、カビの繁殖を抑えるための定期的な掃除は不可欠なのです。

電気代が上がる

エアコンの内部や吹き出し口にホコリがたまると冷暖房の効果が低下し、部屋の最適温度を保つためにより低いまたは高い温度設定が必要になります。

その点で、運転により大きな電力がかかり、必然的に電気代も上がってしまうのです。

なお、ホコリがたまったエアコンとそうでないエアコンでは消費電力に4〜6%ほどの違いがあり、定期的な掃除をおこなうことでその消費電力分の電気代の削減が見込めます。

エアコン掃除はどこまで自分でできる?掃除頻度は?

エアコンの掃除は自分でやる場合と専門業者に依頼する場合で、掃除可能な箇所や必要な掃除頻度が異なります。

ここでは、双方の場合における掃除範囲と掃除頻度の違いについて見ていきましょう。

自分でできるお手軽掃除

自分でエアコン掃除をおこなう場合は、範囲が限られる点で月に2回ほどの掃除が必要になります。

エアコンの構造は複雑であるため、素人による分解が難しく掃除範囲が限られてしまうのです。

なお、具体的な掃除範囲は主に以下の3か所です。

  • フィルター
  • エアコンの表面
  • 吹き出し口周辺

簡単な掃除となるため用意する道具も家庭内で揃えられるもので十分になります。

ちなみに、エアコンクリーナーを使用することで素人でも内部の掃除がおこなえますが、正しく使用しないとエアコンの故障のほか、洗浄液の残留による健康被害や電気部品のショート・火災などの危険があります。

また、専門業者による仕上がりとの差があり、掃除頻度は結局変わらないという点に注意が必要です。

専門業者の定期メンテナンス

専門業者にクリーニングを依頼する場合は、年に1回程度オフシーズンにおこなうだけで十分となります。

専門業者ならば、エアコン内部までしっかり掃除してくれて、長期間カビの発生を抑えることができるためです。

なお、掃除範囲は自分でできる範囲に加え、エアコン内部のアルミフィン(熱交換器)・送風ファン・ドレンパン(結露水の受け皿)までの範囲を徹底的にきれいにしてくれます。

もちろん、プロによる掃除であるため、エアコンの故障などの心配もありません。

また、専門業者へのクリーニングの依頼は、1台あたり10,000〜30,000円ほどの費用でおこなえます。

年に1度の頻度を鑑みれば、費用を踏まえても自分でやるよりもメリットが大きいと言えるでしょう。

自分でできるエアコン掃除の手順

         

自分でできるお手軽な掃除とはいえ、道具の準備のほか手順に沿った適切な掃除方法が必要になります。

手順は以下のとおりです。

  • 電源プラグを抜き、フロントパネルを開く
  • フィルターを取り外し、目立つホコリを掃除機で除去する
  • フィルターを流水と洗剤で洗う
  • タオルでフィルターの水気をふき、乾燥させる

また、各手順では注意すべき点もあります。

以下で詳しく見ていきましょう。

ステップ1:フィルターの掃除

まずは、フィルター掃除から開始し、その際に必要な道具は下記のとおりです。

  • マスク
  • 雑巾またはモップ
  • 掃除機
  • 洗剤
  • ブラシ
  • タオル
  • ドライヤー

 フィルターを掃除するには、フロントパネルを開けて取り外す必要があり、具体的な手順は次のようになります。

電源プラグを抜き、フロントパネルを開く

フロントパネルを開く前に、エアコンの電源が切れていることを確認し、電源プラグをコンセントから抜いておきしょう。

そのままの状態で掃除をおこなうと、漏電や感電の危険があります。

電源プラグを抜いたら、エアコンの構造に沿ってフロントパネルを開きます。

なお、フロントパネルやエアコン上部にホコリがたまっている場合は、開く前に雑巾またはモップでホコリを取り除きましょう。

フィルターを取り外し、目立つホコリを掃除機で除去する

フロントパネルを開いたら、フィルターをゆっくりと取り外します。

雑に取り外してしまうと、フィルターに付着したホコリが飛散するため注意が必要です。

取り外したフィルターはお風呂場などの汚れても良い場所に運び、掃除機で目立つホコリを除去しましょう。

フィルターを流水と洗剤で洗う

掃除機でホコリを除去したら、流水と洗剤でフィルターをしっかり洗います。

エアコンの設置場所によっては、フィルターに油が付着している場合があり、洗剤を使用するとより効果的です。

なお、洗剤は食器洗い用のものでも問題ありません。

洗い落とせないホコリは、ブラシを活用して取り除きましょう。

タオルでフィルターの水気をふき、乾燥させる

フィルターのホコリをきれいに掃除できたら、タオルで水気をふき取りドライヤーで乾燥させます。

水気が残った状態ではホコリがたまりやすく、カビも発生しやすくなるのでしっかり乾燥させましょう。

ステップ2:エアコン表面のふき掃除

掃除したフィルターを取り付ける前に、エアコン内部の表面や吹き出し口の掃除もおこないます。

  • 内部表面のホコリを取り除く
  • 吹き出し口付近を掃除する
  • 吹き出し口奥を掃除する

その際に必要になる道具は下記のとおりです。

  • マスク
  • モップ
  • 雑巾
  • ペーパーを巻きつけた割り箸
  • 水で薄めた洗剤
  • 消毒用アルコール

 具体的な手順と注意点は次のとおりです。

内部表面のホコリを取り除く

まずは、エアコンの内部表面・アルミフィン部分のホコリを除去します。

表面は繊細な構造となっているため、モップや固く絞った雑巾で無理のない範囲で掃除しましょう。

なお、ホコリが多くたまっている場合はハンディ掃除機で除去する形でも問題ありませんが、アルミフィンに衝撃が加わらないように注意が必要です。

カビが見られる場合には、消毒用アルコールを湿らせてふき取りましょう。

吹き出し口付近を掃除する

次に、吹き出し口付近・ルーバー(風向きを調節する羽)部分の掃除をおこないます。

ルーバーを取り外したほうが掃除しやすくなりますが、難しい場合は無理せずに可能な範囲を雑巾でふき取りましょう。

油汚れがある場合は薄めた洗剤を使用し、カビが生えている場合は消毒用アルコールを使用すると効果的です。

吹き出し口奥を掃除する

吹き出し口の細かい羽部分や奥の狭い部分は雑巾では掃除できないため、ペーパーを巻きつけた割り箸などを使用して掃除します。

この場合もルーバーを取り外すと掃除しやすくなりますが、難しい場合にはルーバーを手で回しながら隙間から上手くふき取りましょう。

また、ペーパーには必要に応じて、薄めた洗剤や消毒用アルコールを染み込ませて使用しましょう。

エアコン内部のホコリ除去

エアコン内部の入念な掃除は様々な危険があるため、やはり専門業者に任せたほうが安全です。

それでも自分でしっかりきれいにしたい場合は、下記の手順でおこないましょう。

  • ごみ袋で養生を作る
  • アルミフィンにフィンクリーナーを散布する
  • ファンにファンクリーナーを散布する
  • セットのリンス剤で洗い流す
  • 送風運転で内部を乾燥させる

使用する道具は以下の通りです。

  • ゴム手袋
  • 45Lごみ袋
  • バケツ
  • ハサミ
  • ビニールテープまたは養生テープ
  • フィンクリーナー
  • ファンクリーナー
  • リンス剤

 ごみ袋で養生を作る

ハサミでごみ袋の口を広げ、それをテープでエアコンの下に全体が収まるように設置します。

この際には通電部分に洗浄液が入り込まないよう、エアコンの電気部品までしっかり覆うことが重要です。

設置できたらごみ袋の下に穴を開けて、その下にバケツを置きます。

アルミフィンにフィンクリーナーを散布する

フィンクリーナーを取り出し、アルミフィン全体に満遍なく散布します。

1本を使い切るまで、何度か往復してしっかりアルミフィンに吹きかけましょう。

なお、アルミフィンの汚れは、室外のドレンホースから排出される仕組みとなっています。

ドレンホースの周辺を汚したくない場合は、その下にも予め容器を設置しておきましょう。

ファンにファンクリーナーを散布する

次に、吹き出し口から奥のファンにファンクリーナーを散布します。

こちらも1台で使い切りとなっているので、全てなくなるまでファンを回転させながら満遍なく散布しましょう。

ファンの汚れや洗剤は下に落ちるので、床に飛び散らないよう注意が必要です。

セットのリンス剤で洗い流す

フィンクリーナーとファンクリーナーを散布して20〜30分ほど経ったら、アルミフィンとファン部分にセットのリンス剤を吹きかけます。

リンス剤は洗剤のアルカリ成分を中和させ、さらに防錆や防カビ効果までもたらしてくれるものです。

洗剤が残らないよう満遍なく散布しましょう。

送風運転で内部を乾燥させる

最後に、フィルターを取り付けて元の状態に戻し、送風運転で内部を乾燥させましょう。

送風の運転時間は1〜2時間が目安です。

エアコン内部がしっかり乾燥して、水滴が飛ばなくなったら自分でできるエアコンの掃除は全て完了になります。

エアコン掃除後になるべく清潔に保つ方法

やっと掃除を終えても、油断をすればすぐにホコリやカビが発生してしまいます。

少しでも長く清潔を保つために、掃除後にも以下の点を意識することが大切です。

エアコン使用後に、送風運転を行う

冷房運転をすると、エアコン内部が冷えて結露水が生じます。

つまり、運転したあとに放置すれば、内部に水気がたまったままの状態となり、カビや雑菌が繁殖しやすい状況となっているのです。

一方で、冷房運転をしたあとに可能な限り送風運転することで、内部に水気がたまるのを避けられ掃除後の状態を長持ちさせられます。

なお、内部クリーン機能でも同様の効果が得られます。

内部クリーンは送風や暖房運転で内部を乾燥させる機能で、こちらを選んでも内部の清潔を保つことが可能です。

部屋を換気する

エアコンは室内の空気を吸い込み、それを室外機と連動した熱交換器で変換させて冷たい空気などを作り出す仕組みとなっています。

そのため、室内の空気に湿気が多く含まれていた場合、エアコンも湿度の高い空気を吸い込むことになり、内部に水気がたまりやすくなってしまうのです。

これを防ぎ内部の清潔を保つためには、こまめに部屋の換気をおこなって室内の湿度が高くなりすぎないようにすることが重要になります。

換気をしたくない場合には、除湿機を利用するのも良いでしょう。

定期的に送風運転を行う

オフシーズンに移り変わるタイミングなど、定期的に送風運転をおこなうことも内部の清潔を保つポイントです。

特に、シーズンを終えたタイミングならば、内部にまだ湿気がたまっている場合があります。

また、オフシーズンでも内部にホコリがたまり、それが原因でカビが繁殖する場合もあります。

それを避けるために、季節が移り変わるタイミングやオフシーズンにも月に1回くらい送風運転をしましょう。

まとめ

本記事では、自分でできるエアコンの掃除方法や注意点について以下のことを解説しました。

  • 定期的にエアコンの掃除をしなければ、カビが生えたり電気代が上がったりしてしまう
  • 自分でエアコン掃除をする際は無理のない範囲でおこない、その場合の頻度は月に2回が目安で、専門業者に依頼する場合は年に1回ほどで十分
  • 自分でできるエアコン掃除は大まかに、フィルターの掃除・表面のふき掃除・内部のホコリ除去の手順でおこなう
  • 掃除後にエアコン内部の清潔を保つためには、使用後に送風運転をおこなったり、こまめに部屋の換気をしたり、オフシーズンでも定期的に送風運転をしたりすることが大切

特に、季節の変わり目には、エアコンの掃除や清潔な状態を保つための対策が欠かせません。

そんな時期には、様々な不用品も出てくるのではないでしょうか?

エアコン掃除だけでなく、身の回りの不用品を処分し暮らしを快適にしてみるのはいかがでしょうか。

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