スプレー缶には可燃性のガスが使用されていることが多く、正しい処分方法を行うことが欠かせません。多くの人が自分で処理していますが、本来は多くの危険が伴うものです。
そこで、本記事ではスプレー缶の3つの安全な捨て方をはじめ、自分で処分する場合の適切な手順や注意点について詳しくご紹介します。
スプレー缶の安全な捨て方3選
火災などの危険から、スプレー缶は中身の内容物と液化ガスを全て放出してから捨てるのが基本です。それを踏まえて、 スプレー缶を捨てる方法には主に以下の3つが挙げられます。
自治体のごみ収集を利用する
自治体のごみ収集の利用は、スプレー缶の捨て方として一般的な方法です。費用は掛かりませんが、自治体によって分類が異なるほか様々なルールが設けられており、事前の確認が必要になります。
また、自治体で捨てる場合は、自分でスプレー缶の中身を出し切っておかなければいけません。その際には多くの危険が伴うため、適切な手順と方法を把握しておきましょう。
なお、自治体の処分ルールや中身の安全な出し方については、次項以降で詳しく解説しております。それでも、どうしても自分でできないと感じる場合は、無理せず自治体に相談してみましょう。
メーカーに引き取りしてもらう
商品によっては、中身をすべて出し切るのが難しいものもあります。その場合は メーカーに問い合わせをおこない、正しい方法を教えてもらったり引取してもらったりしましょう。
スプレー缶の引取は多くのメーカーで対応しており、中身を出し切らずともそのままメーカーに送るだけで引取ってもらえます。ただし、配送時の送料は自己負担になります。メーカーによって対応が異なる場合もあるため、問い合わせ時によく確認しておきましょう。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者は、スプレー缶に限らず様々な不用品を回収してくれる業者です。
回収には料金がかかりますが、引っ越しや大掃除などで出た不用品もまとめて処分することができます。
なお、スプレー缶の回収に対応しているのは一部の業者であるため、一緒に処分を依頼する場合は事前の確認が必要です。また、中身を出す作業をおこなってくれる業者とそうでない業者が存在するため、この点も留意しておきましょう。
ちなみに、不用品回収業者のスプレー缶の回収には、1本あたり200〜1,000円ほどの費用がかかります。
自治体を利用したスプレー缶の処分手順
自治体のごみ収集を利用する場合は、自分で中身を出す作業をおこなう必要があるほか、各自治体のルールに従って捨てなければいけません。
中身を出す作業には危険が伴い、誤った方法では予期しない事故を招く危険があります。
ここでは、自治体でスプレー缶を処分する場合の安全な処分手順と、一般的なルールについて見ていきましょう。
中身が入っていないか確認する
スプレー缶は内容物と液化したガスで構成され、まだ中身が入っている場合にはスプレー缶を振った際にシャカシャカという音が出ます。
まずは、その音の有無を確認し、まだ中身が入っているかどうか確かめてみましょう。音がなく中身が入っていなければそのまま処分できますが、そうでない場合は、適切な方法ですべて出し切ってから処分する必要があります。
中身ありの場合はすべて出し切る
スプレー缶を振り、中身が確認できた場合はすべて出し切りましょう。その際の適切な方法や注意点は次のとおりです。
空気中に噴射する
消臭スプレー・制汗スプレー・ヘアスプレーなど、人体に影響がないものであれば空気中に噴射して中身を出しても問題はありません。ただし、匂いが迷惑になる可能性があるので人気のある場所は避けましょう。
なお、中身は噴射レバーを直接押して出すか、付属のガス抜きキャップを利用して出し切ります。シューという音がしなくなるまでが目安で、中身が完全になくなるまでには5〜10分かかります。
トイレットペーパーに吸着させる
塗料や匂いの強い殺虫スプレーの場合や、近隣迷惑を避けたい場合はトイレットペーパーに吸着させる方法がベストです。
具体的な方法として、ビニール袋にトイレットペーパーを入れ、その中に向けてスプレー缶を噴射する形になります。
こうすることで、内容物がトイレットペーパーに吸着し、周囲への飛散を防ぐことが可能です。なお、袋の中には気化した液体ガスが充満するため、中身を出し切ってすぐに密閉するのはNGになります。必ず、30分〜1時間ほど袋の口を開けたまま放置してから閉じましょう。
穴あけ機の利用は危険
穴あけ機は、スプレー缶に穴を開けて残った微量のガスをすべて出し切るためのもので、ホームセンターなどで1,000円ほどで購入できます。
ただ、中身を出し切れていない状態で使用してしまうと、中身が勢いよく噴出したり摩擦によって発火したりする危険があり、あまりおすすめできません。
実際に、穴あけ機による事故が全国的に多発しており、一部の自治体では使用が禁止されています。どうしても使用する場合は細心の注意を払いましょう。
自治体の指定したルールに従って捨てる
スプレー缶の捨て方のルールは自治体ごとに異なりますが、基本的に下記の3点が設けられていることがほとんどです。
- 捨てる前に中身を使い切る
- 他のごみと分けて透明の袋に入れる
- 袋に「スプレー缶」と記載する
例えば、東京世田谷区では上記3つに加え穴を開けないこと、新宿区では穴を開けないことのほか、中身がある場合は「中身あり」の張り紙をすることがルールとして定められています。
その他にも、細かいルールが設定されていることもあるので、よく確認しておきましょう。
処分時に注意するべき2点
スプレー缶の処分には危険が伴いますが、適切な服装と場所を心がけることでリスクを大幅に減らせます。安全に中身を出し切るためには、次の服装と場所でおこなうことが重要です。
作業時の服装
中身を出す作業時の服装は下記が適します。
- 手袋
- マスク
- ゴーグル
- 汚れても良い服装で、麻や綿などの静電気が起きにくいもの
手袋・マスク・ゴーグルは中身の付着や吸引、もしもの場合に目を守るために必要になります。また、静電気による引火を避けるために、静電気が起こりづらい麻や綿の素材の服装を着用することが大切です。
逆に、プラス電気を帯びる絹やナイロン、マイナス電気を帯びるポリウレタンやポリエチレンなどの服装の組み合わせは、特に強力な静電気を発生させてしまうので絶対に避けましょう。
作業する場所
中身を出す作業は、必ず風とおしの良い屋外でおこないましょう。液化ガスは空気よりも重いため、屋内で換気扇を回したとしても下にたまってしまいます。その状態で火気を扱えば、引火の可能性があり非常に危険です。
中身が飛び散ったり匂いがこもったりする懸念もあるため、作業場所は屋外の開放的な場所が適しています。人気がなく周囲に被害が及ばない場所を選んで、作業をおこないましょう。
まとめ
本記事では、スプレー缶を捨てる3つの方法とともに、中身の安全な出し方について解説しました。
- スプレー缶の捨て方には、自治体のごみ収集を利用する方法、メーカーに引取してもらう方法、不用品回収業者に依頼する方法の3とおりがある
- 自治体を利用する場合は、中身の有無を確認し、中身ありの場合はすべて出し切り各自治体のルールに従って捨てる
- スプレー缶の処分作業は、静電気が起こりづらい服装と風とおしの良い屋外でおこなうことが重要
自分でスプレー缶の中身を出すことが可能で、無料で処分したい場合は自治体のごみ収集を利用する方法、自分で中身を出す自信がなく、他の不用品もまとめて処分したい場合は不用品回収業者への依頼がおすすめです。
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